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ストレス (13.06.30)

心・自律神経

漢方では、春は「肝」の季節にあたります。「肝」とは「肝臓」の働きだけでなく、血液を貯蔵し、自律神経や血流・精神・感情をなど司る「身体のコントロールタワー」的な働き全般を指します。

 

ストレスがかかると肝の機能が低下し、様々な不調が全身に表れてきます。ストレス=精神的なダメージを思い浮かべがちですが、気候や環境の変化、睡眠不足や多忙なども身体にとってはストレス。放っておくと不眠症やうつなどに進むこともあるので、早めの対処が必要です。

 

ストレスに強くなるには、十分な血液量と気血の流れを保つ事がポイントです。肝を養う食べ物は柑橘類やお酢など「酸味」のものと「血液を補う」赤身の肉やごま・ひじき・ぶどうなど。気の巡りを良くするセロリや春菊・三つ葉などの香りの良い野菜や香草類を摂って、ストレスに負けない身体を作りましょう!

 

 

イライラ爆発タイプ

イライラ、怒りっぽい/手足が冷える/肩こり、偏頭痛/生理痛/生理前の胸脹やニキビ/生理周期が乱れやすい

ストレスが続いて“気血”(エネルギーや血液)の巡りが悪くなり、痛む・脹る・詰まる…といった症状が現れます。ストレスを和らげて気血の流れを改善すると症状は軽減。身体に熱がこもると症状が悪化するので、更なるストレスや辛いものはNG。おしゃべりやカラオケ、散歩などでうまく発散する事を心がけて。

 

憂うつタイプ

憂うつ・落ち込み/不安感や焦燥感、動悸/疲れやすい/貧血・立ちくらみ/寝付きが悪い・多夢

主な原因は、気血の不足。血液は精神を安定させる作用があり、気血が不足すると鬱々してきます。虚弱体質や貧血の方によく見られ、一番うつ病へと進みやすいのもこのタイプ。気血を補うことでストレスに強い身体に変わります。外に出て、太陽の光を浴びましょう!悩みや不安は1人で抱え込まないで。

 

胃腸に来るタイプ

胃や腹の痛み、膨満感/下痢、便秘/食欲不振、胃がもたれる/ゲップやガスがよく出る/逆流性食道炎

胃腸にくる方、意外と多いのでは? 気の流れが滞り、肝の不調が胃腸へと伝わることが原因です。胃の不調から、気血不足を生み出して他のタイプへと進みます。胃腸を守るには食養生が重要!脂っこい物や甘い物、生もの・冷たい物・刺激物は避け、消化の良いものや気の巡りを良くする香りの良い野菜を摂って!

 

睡眠に問題タイプ

寝付きが悪い/眠りが浅い/嫌な夢をよく見る/頭が重い/いつも眠い

ストレスが溜まると、身体には熱がこもってきます。その熱が脳を興奮させ、交感神経が優位となって様々な睡眠障害を引き起こします。また、胃腸の働きが低下するため水分代謝が悪くなり、不眠のもととなる痰濁を作り出してしまいます。「胃腸タイプ」を食養生を参考に、辛いものや飲み過ぎ・食べ過ぎには注意して。

 

ながさきpress「漢方のチカラ」2013年5月号より

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