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生理 (14.03.21)

気になる症状

第二次性徴が進み、女性として身体が成熟しはじめると初潮(平均12才)を迎えます。俗に「月のもの」とも言われる通り、問題がなければ閉経(平均50才)まで40年近く、毎月付き合うもの。「無い方が楽」と思うこともあるでしょうが、女性の健康維持や妊娠・出産・更年期などとも切っても切れない関係です。

 

漢方では生理周期や経血の量・色・質などから体質や身体の様々な変化がわかるため、女性の相談者には必ず毎月の生理の様子を伺います。女性同士でも、そうおおっぴらに生理の話はしないもの。自分にとっては「普通」でも実はそうでもなかったり…。生理は「身体の健康」を映す鏡です。

 

健康な生理とは?

《周期》

正常:25~38日で安定 

要注意:短い(24日以下) or 長い(39日以上) or 不規則

個人差や数日のズレはあっても、規則正しく来ていること。16才になっても生理がない場合、2~3ヶ月に1度しか生理がない場合は、一度婦人科を受診しましょう。

周期が24日以下の場合は、卵子の発育が早すぎる/高温期が短い/無排卵 などが考えられ、39日以上ある場合は、卵子の発育に時間がかかっている/無排卵 などが考えられます。どちらも卵巣が弱っている状態です。早まったり遅くなったり、「月によって1週間前後のズレは普通」な方は、ストレスや不規則な生活などで卵巣や子宮の働きが乱れています。更年期が近づいている時にも見受けられます。

 

《出血》

正常:4~7日。量のピークは2~3日目。経血量は 60~120ml

要注意:出血が3日以下 or  8日以上あるor 量が多い

出血期間が3日以下と短い(量が少ない)のは、子宮内膜が薄いから。卵子の発育が悪い/掻爬歴がある /排卵誘発剤の影響 などが考えられます。また、8日以上もダラダラと出血が続くのはホルモンバランスの問題です。また、日中、多い日用ナプキンで2時間持たないとか、就寝中に夜用1枚では足りない、タンポンを併用しないと不安…という人は、出血過多。子宮筋腫など婦人科疾患の可能性も。出血過多による貧血も心配です。

 

《経血色》

正常:赤~やや濃いめの赤色 (鮮やかな赤)

要注意:紫~黒っぽい・淡い(薄ピンク~薄茶)

基準になるのは出血量が多い日の色です。量が減ってくる月経後半に茶褐色になるのは問題ありません。経血色が暗いのは、冷えやストレスが原因で子宮の血流が低下している状態。生理痛や経血中のレバー状の塊、頭痛や肩こりなどの症状も同時によく見られます。鎮痛剤に頼るのではなく、お血体質を改善しましょう。また、出血の色が淡いのは、気血(エネルギーや血液)が不足している状態です。生理の後に体調を崩しやすくありませんか? 気血不足を放っておくと、全身的な不調にもつながります。早めの改善を。

 

《経血の質》

正常:サラサラ~やや粘りがある

要注意:ドロっとしている・レバー状の塊がある

ドロッとしたり塊があるのは子宮の気血の巡りが悪い証拠です。痰のように粘る経血は胃腸の力が弱く、体に余計な水分が溜まっています。

 

《生理痛》

正常:痛みはない。やや下腹や腰が重い程度

要注意:強い痛み・年々強くなる痛み

生理痛は子宮の血流が悪いことの現れ。生理痛はないのがあたりまえなのです。あるのがあたりまえのように言われているのは、いかに血流が悪い人が多いかということでしょう。血流が悪くなる原因は様々ですが、婦人科疾患や不妊症につながっている事もあります。生理痛が酷い方、特に年々ひどくなってきている方は、まず婦人科の受診を!

 

毎月の生理をもっとラクにしたい。

将来元気な赤ちゃんを産んで、子育ても仕事も頑張りたい。

更年期を順調にクリアしたい。

女性の体の基礎である生理です。心配なときはぜひご相談ください。

 

ながさきpress「漢方のチカラ」2014年3月号より

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