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お通じの問題 (14.05.22)

気になる症状

「排泄」は生きる上で欠かせない生命活動の1つ。病気とは言わないまでも、日々お悩みの方も少なくないのでは?

便通の異常と自律神経とは深い関係があり、ストレスが多いこの時期は特によく見られます。また、「身体を守る免疫細胞の70%は腸にある」といわれています。「全身の健康は腸の健康の上に成り立っている」と言っても過言ではありません。

漢方では腸は呼吸器や皮膚など含めた「肺」系に属しており、「脾胃」(消化器系)と「肝」(自律神経系)の3つの臓腑の乱れが便通異常を起こすと考えています。下痢や便秘といっても原因は様々。ひとくくりにせず、それぞれに合った漢方薬で対処します。

 

便秘タイプ

便の出が悪くつらい/数日に1度しか出ない/硬い・コロコロ便/残便感・ガスが多い

漢方では①熱体質②ストレス③エネルギー不足④血液不足の4つに分けて考えます。毎日便通がなくても、辛くなければ問題ありません。下剤の長期服用や間違った解決法は、更なる便秘を生むので要注意!(③④はどくだみ茶や繊維質は逆効果)

毎日の食生活を見直し、野菜たっぷりのスープやナッツ類などを摂って、適度な運動を。毎日のウォーキングがオススメです。辛い時には体質に合った便秘薬を使って下さいね。

オススメの漢方薬:清営顆粒

 

下痢・軟便タイプ

軟便・下痢/お腹の脹り/胃もたれ・食欲不振/疲れやすい/めまい・立ちくらみ    

慢性的な場合は、胃腸虚弱や緊張などのストレスが主な原因。1日1~2回でも便が緩ければ問題です。消化・吸収力が弱いため胃腸障害が出やすく、エネルギーや血液を作り出す力の低下から、疲れやすくだるい・立ちくらみといった症状もよく見られます。

冷たいもの・生もの・油ものは胃腸の負担になるので控えましょう。胃腸カゼなど急性の下痢には、勝湿顆粒がよく効きます。

オススメの漢方薬:健胃顆粒、勝湿顆粒

 

両方を繰り返すタイプ

便秘と下痢を繰り返す/ガスが多い・お腹が脹る/イライラ・憂うつ/ストレスが強い

便秘と下痢を繰り返す原因は、ストレスがほとんど。過敏性腸症候群はこのタイプにあたります。(下痢だけの人もあり)

漢方では、自律神経を調えるお薬を中心に使います。何年も悩んでいた方が、1週間ほどで嘘のように症状が治まり、心も楽になり…一挙両得というケースも。

ストレスから身体を守るのは、酸味のものと香りの良いもの。ストレス発散や自分の考え方を変えるのも1つのポイントです。

オススメの漢方薬:開気丸、逍遥丸

 

咳や皮膚病・アレルギー・婦人病なども便通の改善からアプローチすることもあるのが漢方の面白いところ。便通異常を軽く見ないで改善しましょう!

 

ながさきpress「漢方のチカラ」2014年5月号より

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