「気」が滞ると書いて「気滞」。一般的に自律神経失調と言われる状態です。「気滞」の症状は多彩で、また、相反する症状が同居することがあります。
〈気滞でよく見られる症状〉
下痢、便秘、ガス、お腹や脇の張った痛み、イライラ、怒りっぽい、泣く、ため息、やる気がない、疲れやすい、食欲不振、過食、胃痛、ゲップ、不眠、にきび、PMS、生理周期がバラバラ、生理痛、高プロラクチン血症 など
「気」が滞る最大の原因はストレス。
ストレスを発散して気の巡りを正常にする治療法を中医学では「疏肝理気」といいます。柴胡(さいこ)という生薬を配合した漢方薬がすぐれた効果を発揮し、中成薬は「逍遥丸」が有名です。
逍遥丸は8種の生薬からできています。
柴胡(さいこ)、薄荷(はっか)…ストレスを発散する
当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)…血液を増やす
白朮(びゃくじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、生姜(しょうきょう)…胃腸を整える
甘草(かんぞう)…緊張をやわらげる
発散ばかりでは身体が消耗してしまいますが、血液を補うこと、胃腸を整えることで自律神経の安定を助けながら体力を保ち、全体で気の巡りを回復していく、バランスの良い配合です。
「逍遥丸」(逍遥散)が記された中国の医薬書「 和剤局方」 は西暦1151年に編纂された書物。日本で言えば平安時代です。
昔の人も我々同様、ストレスに悩んでいたことがわかりますね。
(スタッフ:春田有紀子)