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40才、生理痛と妊娠力 (13.10.01)

子宝・不妊

「生理痛があるって普通じゃないの?」

痛いときだけ鎮痛剤を飲んでやり過ごしている方、多いのでは? 漢方では生理痛は「子宮の血液循環が悪い」というSOS信号だと捉え、重要視します。子宮や付属器である卵巣の血流と“妊娠力”には密接な関係があると考えるからです。子宮の血液循環が悪いと着床障害や、稽留流産などにもつながります。生理痛が酷い場合は、子宮筋腫子宮内膜症といった婦人科疾患が隠れていることもあり、これらも妊娠力が低下する一因です。

 

結婚2年、40才の方が「3度人工授精(AIH)をしたが、妊娠しない」と来店されました。一般的には35才ごろから卵巣機能が衰えはじめ、年々妊娠しづらくなります。しかし、この方は初潮から生理痛が酷く、強い鎮痛剤を2日で8~10回も服用。経血は黒っぽくドロッとしていて、レバー状の塊もたくさん出る。その他にも、イライラ憂うつ生理前の胸脹などホルモンバランスが悪く、冷え症でとても疲れやすい…など、たくさんの問題が見受けられました。年齢からも卵巣を元気にすることが必要ではありましたが、「生理痛がこれほど酷いと、良い卵も出来ないし着床も難しい」と考え、まずは子宮の中を大掃除する活血剤補血剤だけを1ヶ月飲んで頂きました。

 

1ヶ月後には、「生理痛が楽になって、鎮痛薬は2~3回飲んだだけで済んだ。レバー状の塊も減ってビックリ!」と言われました。AIH後の来店だったので、安胎薬に切り替えて生理が来るか様子を見てもらいました。残念ながら来潮したものの、高温期が18日も続き、妊娠した兆候がみられました。この時の生理痛は更に軽くなり、鎮痛薬は1回の服用で済んだそうです。

 

子宮の血流改善がみられたので、卵巣を元気にする補腎薬を足して身体づくりをしましょう!と提案した周期のAIHで妊娠! 漢方を飲み始めて3周期での妊娠に、ご本人も驚くばかりでした。この方は年齢の割に卵巣が若く、子宮や卵巣の血流が良くなった事で元気な卵が出来、着床環境が調って妊娠力がupした結果でしょう。妊活中の皆さん、まずは生理痛の改善からですよ! 早めにご相談下さい。

 

(夏苅和子)

ながさきpress2013年9月号掲載

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