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40才~、鬱状態から43才で妊娠 (14.11.01)

子宝・不妊

結婚3年目、40才のAさん。「不妊検査は全て異常なし。人工受精を4回したが妊娠しない」とご夫婦で来店されました。お話を伺うと、ストレスから不眠になり寝つきも悪く、多夢悪夢頭がボーッとする…。休職し、心療内科に通院中で安定剤や睡眠剤・降圧剤などを数種類服用しているとのこと。副作用からか口渇が強く、疲れやすい状態。料理をする気も起きず外食が続いていました。また、月経血の大きな塊頭痛・肩こりがあり、舌色は暗く舌の裏には太い静脈が2本ニョキッと並んでいました。

 

これらの症候を漢方では「瘀血痰濁(おけつたんだく)」といい、血液がドロドロで循環が悪い状態を示しています。この状態では、卵巣や子宮に十分な酸素や栄養が届かず、卵胞発育や着床環境の悪化が危ぶまれます。睡眠中には傷ついた細胞の修復や再生、ストレスから身体を守るホルモンや性ホルモン、成長ホルモンなどさまざまなホルモンの生成と分泌がなされています。妊活するにも、どんな人であっても心身共に元気な体を保つには、質の良い睡眠が必須です。

 

妊娠・出産には大きなホルモン変化が伴いうつなどが悪化しやすいため、その前にご本人の精神状態と睡眠を調えることからはじめました。2週間で安眠できるようになり、2ヶ月後からは卵巣を元気にする補腎薬も併用し始めました。4ヶ月ほどで仕事にも復帰され、料理も出来るように。基礎体温やメンタル面は乱れたり、落ち着いたりを繰りかえしながら漢方薬の服用を続けられました。

 

来店2年後には西洋薬は一切不要となり、42歳ということもあって体外受精にトライ。初めての採卵で15個が取れ、グレードの良い卵を6個凍結。3度目の移植、43歳で妊娠!そのまま順調な経過をたどり、44歳での出産となりました。先日、肌が白くて真っ黒な髪の可愛い女児を抱いて報告に来てくれました。3年に渡るご夫婦の頑張りの結晶です。あふれる笑顔に出会え、本当にこの仕事の喜びを感じました。

 

(夏苅竜子)

ながさきpress2014年10月号掲載

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