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PCOSで2児の母~多嚢胞性卵巣と漢方 (15.03.01)

子宝・不妊

初めての来店は29才、結婚2年半のスラリとした看護師さん。人工受精を4度したものの妊娠せず…。お友達の紹介で離島から相談にみえました。初潮は14才と遅めでずっと生理不順(28~60日)。出血期間は3日しかなく、月経量も少ないとのこと。1年半前はホルモン数値にも異常が見られ、排卵誘発剤を1年間継続するうちに整いましたが、多嚢胞性卵巣(PCOS)との診断。生理痛手足の冷えが強く、職業柄ストレスも多いためか生理前のイライラや憂うつ乳脹痛がありました。「この半年の基礎体温表は無いし、以前のも分からない」ということで、ストレス軽減の疏肝薬生理痛改善の活血薬卵巣を補う補腎薬を飲んで体質改善から始めることになりました。すると周期32日目からオリモノが増え、高温期のイライラも無くなり、そのまま何と自然妊娠!「6mmの胎嚢が見えました!感激です!」と声を詰まらせて報告がありました。

 

産後1年半で2人目を希望されたので基礎体温をつけて頂くと、大きなギザギザが続き排卵もない典型的なPCOSの状態でしたが、漢方薬はボツボツ。「まずは食事で体調を調えている」と何度かお手紙を頂いていました。更に2年の月日が経っても妊娠の兆候がなく、本腰を入れて漢方薬を再開。徐々に基礎体温も安定し、生理周期は40日前後に。排卵期のオリモノが4日間も続いて以前には見られいような理想的な排卵ができるようになりました。しかし、多嚢胞に夜勤に深夜までの勉強…障害は多々あり、結果的に2年と時間はかかりましたが35才で自然妊娠!喜びの年賀状が届きました。PCOSは何もしないととても妊娠しづらいこと、1人目の妊娠・産後もしっかり補血を続けて子宮や卵巣を養って頂くように強くお伝えしていれば、身体の弱りを招くことなく、もう少し早く妊娠出来たのではないかと反省していますが年初から嬉しい報告を頂きました。

 

 

(夏苅竜子)

ながさきpress2015年2月号掲載

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