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43才、自然妊娠~胚盤胞を戻すつもりが (15.07.01)

子宝・不妊

結婚4年、43才のAさん。結婚翌年に自然妊娠するも8週で流産。年齢もあり、2年前より不妊治療を開始。12個の採卵から新鮮胚1度と3回胚盤胞を移植し、1度着床はしたもののその後生理が来て流産。2度目の採卵では13個が取れ、グレードの良い胚盤胞が4つできました。しかし「計3回戻したものの、どれも着床しなかった。残り1個を大事に戻したい…。」と来店されました。

 

今まで31日周期だった月経が40日周期と延び、低血圧で疲れやすくボーッとした頭痛があり食欲もわかないとのこと。以前より肝機能が悪くて爪は薄く割れやすい、目の疲れや目の奧が痛み、手首や指も痛むと身体はボロボロの状態でした。

 

このままでは自分の身体を養う余裕すらないのに子宮の赤ちゃんまで養う力がある訳もなく、たとえ着床したとしても、流産しやすい状態です。残っている胚盤胞は1つ。せめて身体が元気になってから移植されるように、体力をつけつつ次の移植に向けて子宮の血流を回復する補血剤や胃腸の機能を高めて元気をつける補気剤、女性の体を調える血の道の薬を飲んで頂きました。

 

1ヶ月後、とても体調が良くなり食欲も頭痛も改善。目のトラブルも手首や指の痛みもなくなりました。元気な卵胞ができている印でもある白身状のオリモノも増えました。ストレスの多いお仕事だったのもあり、薬の1つをストレスを和らげる和解剤に変えて飲んで頂いたところ、高温期が21日続き妊娠検査薬でも陽性反応が!受精卵を戻す前に、何と自然妊娠したのです。

 

すぐ病院を受診したところ、「5週目にしては胎嚢がやや小さい」とのこと。そこで赤ちゃんを守る補腎安胎薬を併用。立ち仕事が多いのもあり、時折茶色の不正出血がみられたため、止血作用のある生薬で対応しながら6週で心拍確認!8週にはつわりも強くなり赤ちゃんも頑張っている様子で夏ごろ出産の予定です。

 

妊娠、出産、育児には体力が必要です。元気なお母さんから元気な赤ちゃんが産まれます。身体づくりが何より大事だと思えた症例でした。

 

(夏苅和子)

ながさきpress2015年6月号掲載

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