TOPICS

32才、PCOS(多嚢胞性卵巣)での妊娠 (16.01.10)

子宝・不妊

結婚3年、32才のTさんが相談にみえたのは去年の梅雨時分。初潮は14才と遅めで、高2から急に2~3ヶ月に1度しか生理がない稀発月経となり、10年ほどは生理が無ければピルで起こしていました。結婚後、すぐに専門病院を受診したところ、多嚢胞性卵巣(PCOS)と診断され、排卵誘発剤を使って妊娠を目指すことに。しかし、薬を使っても卵胞が育たなかったり、逆に過剰な刺激反応によって卵巣が腫れたりして思うように治療が進まず、2年の月日が流れていました。

 

基礎体温表を拝見すると、ギザギザの犬歯状で体温は高くないのに年中寝汗があり、頬はいつもりんごのほっぺ。舌の先端が真っ赤で日に当たると皮膚にかゆみや赤みが出る…と身体に熱がこもっている状態が見受けられました。病院で「子宮内膜が薄い」と言われて気になっているご様子。

PCOSは“難敵”であること、でも腰を据えて本気で取り組めば道は開けることをお話しし、補腎薬・活血化痰薬を中心に漢方薬を併用して頂くことに。最初のうちこそ試行錯誤でしたが、中国・湖南研修で教わった方法に変えてからはトントン拍子で卵胞が育つようになり、治療にしっかりと反応できる卵巣や身体になってきました。

 

こうなると気になるのはご主人のこと。「仕事でグッタリ疲れ、“タイミング”どころではないこともあるし、他にも色々と…。」と相談を受けました。【夫婦同治】でご主人様にも漢方薬を飲んで頂いたところ、2ヶ月で精子濃度や運動率が大幅に改善し、3回目の人工受精で見事妊娠!

 

「もう痛~い注射をしなくて済むんですね。治療を卒業できて嬉しい!」と仰ったTさん。つらかったつわりも安胎薬や止嘔薬で乗り越え、無事安定期に入りました。不妊治療と漢方薬の両立、よく頑張りましたね。

      

(夏苅竜子)

ながさきpress2015年12月号掲載

一覧ページへ戻る

このページのトップへ戻る