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更年期障害 (13.08.30)

気になる症状

「更年期障害」=女性のイメージがありますが、男性にも現れます。更年期は、女性は閉経(平均では50.5才)前後の10年間に急激に、男性は40代後半からゆるやかに訪れます。性ホルモンの減少が主な原因であることから、西洋医学ではホルモン補充療法が一般的です。漢方では、加齢による「腎」の衰えが主な原因だと考え、補腎薬などを用います。老化を避けて通ることは出来ませんが、更年期の症状は個人差があり、ほとんど症状が出ない方もいます。腎の衰え方が急だったり、もともと血虚や陰虚(血液や体液不足)の体質を持っていると、更年期障害が強く表れます。

また、この年代は責任ある立場で働き盛り。その他にも介護や子育て、リストラ…など大きなストレスを抱えがちです。ストレス+更年期からうつに進む場合も少なくありませんので、早めの対処が重要です。

 

ほてりor冷えが気になる~腎の衰えタイプ

ほてり・のぼせ/発汗/足腰がだるい/倦怠感、性機能の減退/腰や四肢が冷える

「腎」が弱ると、陰陽のバランスが崩れ「ほてり」か「冷え」もしくは両方が出てきます。骨や髪の毛、生殖力も腎に由来するため、足腰のだるさや抜け毛・白髪・性機能の減退も。腎の衰えを防ぐには、甘い物を控えて海の物(貝類・海草類)や豆・ごま・ナッツ類などを毎日食べること。睡眠不足や過労は厳禁です。

 

不眠や動悸が気になる~心のドキドキタイプ

動悸/不眠・寝付きが悪い/不安感や焦燥感/イライラ/物忘れ

心臓や精神をコントロールしている「心」。深く関係している腎が弱ると心が暴走し、動悸や不安・睡眠障害などが現れます。若い頃から貧血や立ちくらみなど、心を養う血液が不足していると、将来更年期症状が酷く出る可能性大!血液不足は早めに改善しておきましょう。もちろん、すでに更年期の方も楽になりますよ。

 

イライラや憂うつ感が強い~肝のイライラタイプ

イライラ・憂うつなど情緒不安定/胸や脇・腹が脹る/のどの詰まり感/頭痛や肩こり

「腎」は「肝」の母といわれています。母(腎)の弱りにストレスが合わさると「肝」のへ負担が増長して気血の巡りが低下。イライラやほてり・冷えのぼせや、身体のあちこちに痛み・脹り感が出てきます。唐辛子やにんにくは控え、お酢や柑橘類、セロリやハーブ類など肝を養うものを摂って、ストレスを発散して下さいね。

 

ながさきpress「漢方のチカラ」2013年7月号より

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