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胃腸トラブル (16.07.19)

気になる症状

胃腸(中医学では「脾胃」と呼びます)は飲食物を消化し、栄養を吸収して、エネルギーや血液を作り出すとても重要な役割を担っています。いわば、生命を支える大切な臓腑。「脾」は湿気を嫌い「胃」は冷えを苦手とする性質があります。しかし、蒸し暑くクーラーや冷たい飲食物を摂りがちな夏は、知らないうちに脾胃を冷やし、いじめてしまう季節でもあるのです。

●冷たいもの、生もの●甘いもの●脂もの●辛いもの●味の濃いものなどは胃腸に負担を掛けるので「悪いもの」と意識した上でほどほどに。

水分の摂りすぎは胃酸を薄め消化力を低下させます。がぶ飲みしないよう気をつけて下さい。胃を温めるねぎや生姜・みょうがやしそといった薬味をしっかり摂ると良いですよ。

 

もともと弱い~脾胃虚弱タイプ                      

食欲不振、少食/慢性下痢、軟便/空腹感がない/やせ気味or水太り/疲労・倦怠感/歯痕、胖大舌など 

もともと脾胃虚弱な人は、飲食物を消化し吸収する力が弱く、生命エネルギー(気や血)を作り出す力が低下しています。胃腸の問題だけでなく、全身的な不調にもつながりますから、早めの対策が必要です。また、脾は水分代謝や内臓を正しい位置に保つ働きも担っているため、機能が低下すると下痢やむくみ、めまい、胃下垂や子宮下垂、脱肛などがみられることも。 漢方薬で胃腸の力らがつくと、気持ちよくお腹が減り、気血が充実するので、身体の芯から元気になりますよ!

おすすめの漢方薬は、健胃顆粒、健脾散、補中丸など

 

ストレスが胃腸にくる~ストレスタイプ

胃痛、腹痛/胃のムカつき、胸やけ/食欲不振/胃もたれ/下痢、便秘/胃や腹が脹る □逆流性食道炎 など

本来、胃腸の気は上から下へと流れます。しかし、ストレスから気の流れが乱れ、身体のあちこちで溜まる(気滞)とゲップやガスなど胃腸の脹りや痛みが、上に上がる(気逆)と胃酸の逆流から胸やけや逆流性食道炎など、さまざまな胃腸トラブルがあらわれます。

いつまでも胃酸の分泌を抑えたり、中和する薬などが手放せないのは“根本的な原因”が治っていないから。

漢方薬で気の巡りをよくしてストレスを和らげると、不快な胃腸の症状と同時に気持ちまでもが一緒にスッキリ!

おすすめの漢方薬は、開気丸、逍遥丸、翁丸 など

 

暴飲暴食、冷たいもの…~食の不養生タイプ    

吐き気、胃のムカつき/下痢、軟便/身体がだる重い/頭重感、めまい/舌の上にべったり苔がついている

飲み会や食べ過ぎの翌日。胃もたれや吐き気、下痢…なんて経験、誰でもありますよね。これこそ食の不養生から胃腸が傷つき、身体の中に湿濁(余分な水分やドロドロしたもの)が溜まってしまった結果。まずは食事の摂り方を意識するだけで、不調を軽減することができます。チェックポイントは舌の上の苔。たくさんついている時は「胃腸が働いていない」サインです。胃に負担のかかる飲食は全て止め、温かく消化の良いものよく噛んで!勝湿顆粒や温胆湯はこんな時すぐ効き、胃腸が楽になりますよ。

おすすめの漢方薬は、勝湿顆粒、温胆湯、晶三仙など

 

☆胃腸トラブル時に見られる舌 

歯痕・胖大舌

特徴:歯形がつき、色が淡くぽってり

胃腸が弱く、気血不足の舌。舌がむくんでおり余分な水が溜まっている状態です。

地図状舌

特徴:部分的に苔がはげ落ちている

胃の機能低下や胃粘膜の潤い不足。慢性胃炎や胃もたれしやすい方によく見られます。

紅舌・尖紅舌

特徴:舌先や全体が赤っぽい

ストレスや辛いものの摂りすぎなどで身体に熱がこもっている。胃痛・胸やけを起こしやすい舌です。

厚膩苔

特徴:舌の上にべったりと苔がある

胃腸機能が低下し、余分な水分や不消化物が溜まっている事を示します。口臭の元にも。

 

ながさきpress2016年6月号より

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