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不妊症武漢研修レポート(2016.6.19~24)① (16.07.22)

勉強会・研修

今回の研修先は武漢、人口6000万人の大都市、三国志で有名な歴史ある町です。研修先は不妊症で実績がある湖北中医薬大学附属病院の湖北省中医院。

姜恵中先生は76才の女性で、西洋医からスタートして中医学を学んだ中西結合医です。体質を改善するには漢方薬を、刺激が必要な人にはホルモン剤を併用し、パソコンに向かって処方を打ち込む姿はとても76才とは思えません。初めは眼鏡越しに「何を聞きたいの?」と厳しい口調でカルテも見せてくれません。時々示されるホルモン値から病名を答えると「どこで勉強したの?」この12年間に研修を受けた中医薬大学名を伝えると、ご自分の知り合いの教授のお名前をあげ、すべての所に行ってご教授頂いたことを告げると納得。それからは患者毎にいろいろと説明を頂きました。

中国の「一人っ子政策」が廃止され、2人目の妊娠を希望して来院する女性の多くが40代半ばで卵巣の機能低下が見られます。初日の講義は70才の梅乾茵先生。高齢者でも必ず不妊ではないが、卵がよくない、内膜の受容性が低いなど問題がある。月経周期が長く月経量が少ないのは腎陽虚、補腎陽薬で卵巣・内膜・子宮をゆっくり養うと、体調、オリモノ、性欲、内膜の厚さが変化してくる。逆に月経周期が短いのは腎陰虚がメインで、常に肝腎を補うこと。水の中に生息する亀は陰を補う力が強く、亀板や阿膠はとても効果がある。月経期は活血・養血が大事だと話されました。阿膠は婦宝当帰膠にたっぷり入っています。

 

二日目の講義は姜先生の弟子の張麗君先生。結婚2年で自然流産、稽留流産を繰り返す症例でした。周期や舌診、脈には異常はなく、検査の結果染色体異常が見つかりました。免疫や染色体異常は自覚症状がなく、中医学による弁証ができません。妊娠における染色体異常の割合は25%。免疫の問題である抗精子抗体や抗核抗体は性生活の乱れによるもので、子宮内膜が回復する前にSexすると精子が血液に触れるため、白血球が精子を攻撃して抗体が出来ます。従って、流産後や月経が終わってないうちのSexは禁止!この方も清熱解毒薬を70日間服用した結果、3種類の抗体陽性はすべて陰性になり無事に妊娠したそうです。

また、病棟では習慣性流産妊娠後の出血が止まらない人、免疫抗体に問題がある人などが紹介され、脈も取らせて頂きました。

 

その②へ続く
                                 

                  

                    

                                                                                          

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