妊娠は、とても神秘的な生命活動の一つです。いくつもの難所をクリアして初めて成功するのです。不妊検査だけでは分からないこともあります
健康な男女がタイミングを合わせて性交渉をもった時の自然妊娠率は20~30%といわれており、月経周期4~5回で1回妊娠するくらいの確率です。
この場合、健康であることが前提で、病気でなくても肥満(リスク2倍)やヤセ(リスク4倍)でも卵子や精子にとってはリスクの一つになります。また、年令も大きなリスクです。特に卵子は女性が母親の胎内にいる時に作られた700万個の原始卵胞が、出産時には200万個に、初潮を迎える頃には30万個に減少しています。原始卵胞が排卵できるサイズに成長するには卵巣内ホルモンの働きで6ヶ月かかります。
排卵誘発を6回受けたら次の卵子が育つまで半年は休みましょう。
精子の適温は34℃といわれています。体温を上げる辛いものの摂り過ぎやサウナは控えましょう。脂っこい食事は精子の運動率にも影響します。野菜や海草を摂りましょう。
<不妊症の6大検査>
① 基礎体温:グラフの形から排卵の有無だけでなく黄体機能不全、卵巣環境などがわかる
② 精液検査:精液量、精子数、運動率、奇形率から自然妊娠の可否が分かる
③ フーナーテスト:排卵日前夜にsexし、精子が子宮内に到達しているか自然妊娠が可能か
④ 頸管粘液検査:卵胞ホルモンの分泌が十分あるか?精子が通りやすいか?
⑤ 子宮卵管造影検査:造影剤を入れて卵管の形状から通過性を見る
⑥ 超音波診断:子宮や卵巣の病変(筋腫、内膜症、ポリープ、奇形など)卵胞の大きさ、内膜の厚さなど
<ホルモン検査>
FSH:(10以下)卵巣を刺激して卵胞を発育させる。高いと卵巣機能低下
LH:(1.5~5.0)成熟卵の排卵を誘発させる。高いとPCOSの可能性
E2:(60)卵胞から分泌される。低いと卵胞の発育不良
PRL:乳汁分泌を促す。高いとFSH、LHが抑制され無月経や無排卵、黄体機能不全に
<その他>
① 抗精子抗体:精子の動きを悪くして受精を妨害
② AMH:前胞状卵胞数で準備卵の在庫数、加齢で下がるが若年性も
③ 尿中LH:卵胞が18mmくらいになるとピークになり36時間後に排卵する
これらの検査が正常であっても、着床する子宮内膜がきれいでないと着床しません。それは、生理の色や量、塊、生理痛のあるなしからもわかります。鎮痛剤を飲まなくても、生理痛のない状態に改善しておきましょう。また、排卵前に透明の粘性のあるオリモノがありますか?卵胞の質を表す大事なチェックポイントです。これがないと体外受精でも成功しにくくなります。アトピーや湿疹、子宮内膜症などの炎症があると、その影響は着床の子宮内膜にまで及びます。きれいな皮膚や粘膜を取り戻しておきましょう!
質の良い受精卵ができることは大切ですが、着床すると十月十日、そこに住み続けるベビーにとってきれいな血流は必須で、子宮内膜の正常化はとても大切なのです。
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ながさきプレス2023年11月号