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32才、着床環境の改善に漢方を (13.09.01)

子宝・不妊

体外受精にチャレンジ中の32才の女性。

「胚盤胞の凍結卵が18個出来、質の良いものを2度移植したが着床しない。もうすぐ3回目の移植を予定しているので漢方を併用したい。」

 

潜在性の高プロラクチン血症がありますが、生理周期はほぼ安定しています。しかし、月経量は多く、生理痛が酷くて鎮痛剤を日に3回も服用していました。月経血の色は予想通り紫色で黒っぽく、ドロッとした大きな塊があります。生理前には頭痛胸の脹りもありました。疲れやすく、手足の冷え首肩のコリもあります。舌は赤黒く、子宮をはじめとした、全身の血流が悪い「瘀血(おけつ)」の状態が強くありました。これではいくら移植しても着床に至るのは難しいでしょう。

 

胎児は約10ヶ月間を子宮の中で暮らします。ですから「子宮は温かく、たっぷり血流が流れて酸素や栄養が届いていないと赤ちゃんが成長出来ない」と漢方では考えています。移植が2週間後に迫っていたので、とりあえず体力をつけつつ子宮内膜を養う補血剤をベースに、職業柄ストレスと夜勤が多いのでストレスを和らげる和解剤と強い活血剤だけをご服用頂きました。この周期に陽性反応は出たものの、服用期間が短かったため血流の改善が不十分なのもあってか、残念ながら初期流産に終わりました。

 

月経血の色が真っ赤で生理痛も塊もない“健康な子宮”をめざして、しばらく血流改善に集中して頂くことにしました。2ヶ月後には月経血もきれいな赤になり、生理痛も塊もなく、肩こりも改善されていました。

 

その翌月に4回目の移植をし、無事に着床!今回は胎嚢も見え心拍も確認されて、ようやく笑顔がこぼれました。赤ちゃんは血流が悪く、冷えた部屋(子宮)には住んでくれません。着床環境を調えるのは漢方の得意分野です!冷え症や生理痛、塊のあるあなた。まずは生理の不調を改善しましょう!お一人お一人にあった漢方薬をご提案します。ご相談下さい!

 

(夏苅和子)

ながさきpress2013年8月号掲載

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